『…自殺って…タイミングが必要なの?』

『そりゃそーでしょ?自ら命を断つ訳だし…』

『…勢いに乗らないと死ねないなら、死ぬの止めれば?…私は、勢いなんか関係無く、この世を去る運命だけど』

私の言葉に、男は少し悔しそうな、悲しそうな顔をした…

『…俺、あと一年の命らしい…手術して助かる確率は10%…たった10%だよ…それなら、入院費とかかさんで、親に迷惑掛からないうちに、命を断ちたいんだ…』

そう俯き話す男…
…この病院には、他の病院で受け入れられない余命僅かな患者が、助けを求めて集り、入院している。だから、余命〇年と聞いても驚かない…

『…親孝行なんだか、親不孝なんだか…解らないね(笑)…でもさぁ、手術…10%でも成功するなら…してみたら?親にとって金銭的苦労より、子供の自殺の方が辛くて苦しいよ?』

『……お姉さん…何て言うか…説得力あるよね(笑)』

『そう?』

屈託無く笑う男…笑顔は幼い…