「……というわけで、しばらく私どもの事務所で雑務…ごほっ…私の補佐としてお母様の娘様である架山菜月さんを働かせてもよろしいでしょうか?」

「まぁ♪そういうことなら喜んで♪不束者ですが娘を宜しくお願いします」

向かい合って深々と頭を下げる二人に私は二の句が継げない


何故このような事態になってしまったかというと、話はほんの数十分前に遡る





「さ、話も済んだし…お前は帰れ」

「はぁ!?ちょ、おい!!」

バタン

あれから笹倉さんはシンさんを強引に追い出して、残された私はこれまた強引に車に乗せられ、たどり着いたのは何故か私の家

帰してくれるのかな?なんて思っていたけどこの男の思惑はその斜め上をいっていた

ピンポーン

笹倉さんはなに食わぬ顔で車から降りると、私の家のインターホンを押す


「はい。どなたでしょうか?」

インターホンのスピーカーから聞き慣れた女性の声が響く

「私、sugar nightのマネージャーの笹倉と申します。突然の訪問で申し訳ありませんが、少しお話をさせて頂けないでしょうか?」

「えぇっ!?ちょ…少々お餅、お待ちください!!」

カメラ越しに堂々と自らの素性を名乗り、その見知った顔と名前に慌てたお母さんはバタバタと家を駆け巡った後、勢いよくドアを開けて笑顔で私達を招き入れた