もうじきやって来る。




大切な日。


大切な人の大切な日。


その日、何を見て、何をして、何を感じているのか。


俺は、ずっと考えていた。
今まで、彼女がひとり過ごしてきたこの日。

今年は二人で迎えよう。

そう決めた。

だけれど、正直言って、自信はなかった。

それが、本当に彼女の為になるのかどうなのか。

それでも、一緒に居たいと思う。

傷付けることになってしまっても、それでも一緒に居たいと思う。

そう、思い、そう、決めた。

きっと、朝になれば、


「おはよ、美羽。」


「おはよう、瞭くん。」


いつもの場所で、いつもの挨拶をする。

そうすれば、全てがうまく行く気がするから。