放課後。 クラスメイト達が慌ただしく帰り支度を始める。 もちろんあたしもその流れに乗っかって、カバンの中にせっせと教科書を詰め込んでいた。 「おい」 「……ん?」 すると、頭上から低い声が降ってきた。 その声が耳に届いた瞬間、ピタッと動きを止めて振り返る。 それが誰の声か、ちゃんと分かってるから。 「今日、付き合え」 「……うん!!」 小野君に思いがけず、誘われちゃった! 喜びでどうしても顔が緩んでしまう。 あたしは大きく頷きながら立ち上がった。