「あたしと小野君は何にも進んでないよ?」 「え?どういうこと?」 「だから……キスもエッチも……何も」 「えぇ?!でも小野君に抱きしめられたことくらいはあるでしょ?!」 驚いて目を見開いた舞子は、あたしが首を横に振るとパチパチと何度も瞬きをした。 「冗談キツイって。別に恥ずかしがることじゃないよ?」 「……冗談じゃないもん」 唇を尖らせながらそう言うと、舞子は「ごめんごめん」と慌ててあたしの頭を撫でた。