「調子に乗ってなんかいないよ。それに直人君はあたしのことなんて……」 「なんとも思ってないっていいたいのか?」 「……うん」 直人君が特別な感情をあたしに抱いているとは思えない。 それに、あたしと直人君は今日初めて会ったばかり。 同じ学校だけど、クラスの違う直人君との接点は何一つない。 すると、小野君はふんっと鼻で笑った。 「お前のお気楽さには呆れるな」 「どういう意味?」 「別に」 小野君は興味なさげにそう言って、口から煙を吐き出す。