小野君から貰ったカレーパンはとても美味しかった。 お腹が空いていたからか、それとも小野君がくれたからか。 ……きっと、小野君がくれたから。 だからあんなに美味しかったんだ。 「今日も、壱星(いっせい)のパシリ御苦労さま」 「……あ、彰人君!!」 コーヒー缶を片手に廊下を歩いていると、隣のクラスの彰人(あきと)くんがふっと笑いながら声をかけてきた。