「俺はケツに女を乗せない。特にお前はギャーギャーうるさそうだしなおさらだ」
「そんなぁ……。じゃあ、どうして迎えに来てくれたの?」
「迎えに来たんじゃない。たまたま通りかかっただけだ。勘違いすんな」
だって、用もなくこんな住宅街を通りかかるわけないよ。
しかも、あたし達に気付いて小野君はすぐにバイクとめてくれたもん。
電話に出ないあたしを心配して……単車を走らせてあたしを探してくれた。
そうだとしたら、ものすごく嬉しい。
「小野君に送っていってほしいなぁ……」
「ハァ?俺は帰る」
もう!強情なんだから!!
帰ると言ってきかない小野君に、あたしは強硬手段に出た。



