「そんなに怒ったら姫川さんが可哀想だろ。だったら最初から姫川さんのこと迎えにきてあげればいいのに」 「誰だ、お前」 「飯田直人」 「へぇ……。お前、こいつが俺の女だって知ってた?」 「知ってたよ」 あたしを庇った直人君に冷たい視線を浴びせた後、小野君は吐き捨てるようにこう言った。 「帰る。お前はそいつに送ってもらえ」 「小野君……!ちょっと待ってよ!!」 思わず単車に駆け寄って、小野君の腕をグイッと掴む。