「……直人君に送ってもらうことにした」
半ベソをかきながら三人の元へ戻ったあたしはボソボソと呟いた。
「えぇ?!どうしてよ?小野君に電話しなかったの?」
驚いて聞き返す舞子。
あたしは唇を尖らせながら答えた。
「したよ。ものすごい勇気を振り絞って電話かけたよ」
「それならどうして?」
「直人君に送ってもらえって言われたの。小野君に!!」
『小野君に!!』の部分を強調して言うと、彰人君と舞子は顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。
「アユ、元気出しなさいよ!」
「そうそう。壱星も忙しかったんだって!気にすんな!!」
「……うん!そうだよね。ありがとう!!」
二人の必死の励ましに自分自身を納得させながら、コクリコクリと必死で頷く。



