「あ~そっか。直人に送ってもらえばいいか?」 「彰人!あんたは本当に……。アユちょっと来て?」 舞子は彰人君を横目で睨むと、あたしの手を引っ張って二人と少し距離を取った。 「アユ、小野君の番号知ってる?」 「うん。知ってるよ」 「それなら話が早いわ。今すぐ小野君に連絡して迎えに来てもらって。さすがにアユと直人君を二人っきりにするわけにはいかないから」 「え……?今から?」 小野君と付き合った日、半ば強引に連絡先を交換させられたけど今まで小野君に電話したことなど一度もない。