王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~


小野君ともこうやって和やかに話せればいいのにな。


同じ目線になって他愛のない話をしてみたい。


いつもあたしばっかりベラベラ自分のことを喋ってるし、たまには小野君の話聞きたいな。


会話って言葉のキャッチボールだもん。


一方通行じゃ、つまらない。


目の前の直人君の笑顔を小野君の笑顔に置き換えると、思わず胸がキュンっと高鳴る。



今頃、小野君は何してるんだろ。


バイト……?


バイトって何のバイトしてるか知らないや。


教えてくれてもいいのになぁ。



「……――姫川さん?」


「あ、ごめん!!」


ぼんやりと小野君のことを考えていたあたしは、直人君の声でハッと我に返った。


「考え事でもしてた?」


「……ううん、何でもないよ」


「そっか」


あたしが首を横に振ると、直人君はホッとした表情で頷いた。



結局、カラオケBOXにいる間中、小野君のことが頭から離れなかった。