「いじけてんな」


小野君はフッと優しく微笑むと、あたしの唇にキスを落とした。


優しくて温かい極上のキス。


そして、唇が離れた瞬間、小野君は今までで一番柔らかい笑みを浮かべてこう言った。


「俺、アユが好きだ」


「……っ!!」


ねぇ、小野君。


今まで一度も言われたことのなかった「好き」という言葉。


あたし、その言葉をずっと待ってたんだよ?



「あたしも小野君が好きだよ?」


あたしたちの恋はまだ始まったばっかりだ。


これからたくさんの愛を、小野君と一緒に育んでいこう。


「本当にあたしのこと好き?」


「あぁ。本当に好きだ」


「じゃあ、どれくらい好き?」


そう聞き返した時、お互いの視線がバチッと至近距離でぶつかった。


「言葉じゃ表せないくらい」


小野君が答えたと同時に、あたし達はどちらからともなく唇を重ね合わせていた。


甘くて優しくて温かい、世界一幸せなキスを……。





                  
                  【完結】