「あ、そうだ!!大事なこと忘れてた!!昨日のお礼にって買ったんだけど、お昼に渡しそびれちゃって。よかったら食べて?」


家まで送ってもらったお礼に、あたしは今朝コンビニで買ったメロンパンをバックの中から取り出して小野君に差し出した。


ずっとバックの中に入れておいたから少しだけ形が崩れちゃった。


だけど、小野君はそんなに細かい人じゃないし、気にしないはず。



「ごめんね、売店のメロンパンの方がいいと思ったんだけど人気でいつも買えないから」


「……何でメロンパンなんだよ」


「だって、いつも小野君あたしにメロンパン頼むでしょ?」


好きじゃないならば、買ってきてと頼む必要はない。



「メロンパンなんて食わねぇよ。俺はメロンが大嫌いなんだ」


「……え?じゃあ何でいつもメロンパンを?」


不思議に思って首を傾げると小野君はメロンパンを押し返した。