「小野君、本当に誕生日プレゼントいらないの?」 「まだ言ってんのか。しつこい」 彼氏の誕生日に何もあげられないなんて何となく彼女失格のような気がして。 でも小野君はあたしに誕生日を教えてくれなかった。 彼女失格以前の問題かな……。 「じゃあ、歌でもうたおうか?ケーキがなくて申し訳ないけど……」 考え抜いた末に思わず口にしたそんな台詞。 「歌?」 小野君は露骨に嫌な顔をした。 「冗談だよ……。小野君、誕生日おめでとう」 あたしはそんなありきたりな台詞だけで小野君の誕生日を祝った。