「ありがとう」 お礼を言うあたしと目を合わすことなく、小野君は自分用に取ったコーラのプルリングを力任せに引く。 「今日はおうちに誰もいないの?」 「親父は仕事、星華とババァは二人で出掛けてる」 「小野君……お母さんのことババァって言っちゃだめだよー」 「お前も会えば分かるだろ。ババァって呼ぶ、俺の気持ちが」 ……う~ん、何だかよく分からない。 だけど、この家の中にはあたしと小野君しかいないらしい。