「出たよ」
脱衣所に置いてあった真っ白いバスローブに着替えて部屋に戻ると、小野君は一度もこちらを見ることなくバスルームに向かった。
「ハァ……、なんか緊張してきちゃったな」
さっきまで小野君がいたソファに座ると、微かに小野君の残り香がした。
「お母さんに連絡しなきゃ」
傍に置いておいたバッグの中から携帯を取り出し、メール画面を開く。
【たまたま舞子に会って、舞子の家に泊まることになったから】
今日、あたしと小野君がデートしていることをお母さんは知っている。
それがどう転んで舞子の家に泊まる運びになるんだろう。
……これはおかしい。絶対に怪しまれる。



