駅に着いてからも、雨は弱まるどころか更に激しさを増していた。


「この格好じゃ、電車に乗るのも気が引けるよね」


「ここで野宿できるわけでもないし、帰るしかないだろ」


「小野君……あそこはどう?雨宿り出来そうじゃない?」


あたしが指差した方向に視線を向けた小野君は、唖然とした表情であたしを見た。


「お前、あそこがどういう場所か知ってて言ってるのか?」


「知ってるよ」


駅から数百メートルほど離れた場所にある【HOTEL】という電光看板が妖しい光を放っていた。