「知り合いの単車のケツに乗ってた時、事故ってこの傷が出来た」


「その傷……事故で……」


目の上の傷はさほど深くはなさそうだけれど、痕はハッキリと残っていた。


「運転してる奴はとっさに身構えられる。でもケツに乗ってる奴は無理だ。それにお前、目つぶってただろ」


「……あ、バレてた?でも怖いからじゃなくて……」


「女の顔に傷なんてつけたら取り返しがつかないだろ。大切な女ならなおさら」


「……だから小野君は女の子を乗せないの?」


「あぁ。特にお前だけはもう二度と乗せたくない」


小野君の言葉に顔がボッと熱を帯び、あたしは赤くなった頬を両手で押さえた。