「何やってんだよ」 直人君が腕を離したときには、小野君はあたし達の横まで歩み寄っていた。 「何やってたか聞いてんだよ。何とか言え」 小野君の瞳があたしを捕えて離さない。 その瞳は怒りでユラユラと揺れている。 「結局、お前はこいつを選ぶんだな?だったら最初から俺を祭りになんて誘わなければよかっただろ」 「……違うよ!小野君勘違いしてる!!」 「何が違うんだよ。人気のないとこで抱き合ってんの見て勘違いするなって言う方が無理だろ?」 ふんっと鼻で笑うと、小野君は怒りの矛先を直人君に向ける。