小野君にあって、直人君にないもの……? あたしを「お前」と呼ぶ低くかすれた声。 長くて細いしなやかな指。 鋭い切れ長の目と人に有無を言わさない茶色い瞳。 目の上の小さな傷。 冷たい言葉を平気で言い放つ薄い唇。 無表情な顔。 優しくないように見えて優しいところ。 口が悪くてぶっきら棒だけど、本当は不器用なだけ。 小野君の心はとても温かい。 きっと、何か一つでも欠けてしまったら小野君ではなくなる。 小野君の代わりは誰にもなれないんだ。