小野君のあまりの愛想のなさにあたしが焦ってしまう。
怒らせたら海に沈められてしまうのではと心配になるくらい、おじさんはとてつもなく怖いオーラを放っていた。
「小野の彼女か?いい子見つけたじゃないか!大切にしてやれよ」
「……はい」
やきそばを受け取りながら小野君は小さく頷いた。
「彼女、あんたいい男捕まえたな!ガッハッハ!!」
……あれ?この笑い方……誰かに似てる。
小野君は面倒くさそうな表情を浮かべながら「絡まれると長くなる」そう言って、首を傾げていたあたしの手を引っ張った。
「焼きそばありがとうございました!!」
あたしはおじさんにペコリと頭を下げると、小野君に手を引かれ歩き出した。



