小野君と一緒に歩いていると、痛いほどの視線を浴びせられる。
人が大勢集まる場所ではなおさらだ。
黒いTシャツとジーンズというラフな格好の小野君の胸には、お決まりの金色のネックレスがつけられている。
黒と金色という組み合わせは小野君にピッタリだ。
小野君を色で表すと金色だと思っていたけど案外黒もいける。
順番待ちをして、ようやくあたし達の番になった時、
「お前、小野か?久しぶりだな!元気だったか?」
出店のおじさんが小野君に声をかけた。
「元気でしたよ。とりあえずやきそば二つ」
「何、水臭い事言ってんだ!俺のおごりだ!」
「どうも」
出店のいかにも強面のおじさんは金色の差し歯をむき出しにしてニコッと笑う。



