「ねぇ、何してんの~?」 足元に視線を落としていると、頭上から降ってきたそんな言葉とともに肩をポンッと叩かれた。 その声が小野君のものではないとすぐに察し、あたしは顔を強張らせる。 「誰か待ってんの?」 「……彼氏を待ってます」 ニヤけた表情の男達の目に映し出されている下心。 それに気付かないほど鈍感じゃない。 「でも君さ、ずっとここに立ってるよね?彼氏にすっぽかされた?」 いつから見られていたんだろう。 痛いところをつかれてギュッと唇を噛み締めると、男達は目を見合わせて笑った。