「別に思わない」 小野君は冷めた目を一度こちらに向ける。 「そう言うと思ったよ」 「うるせぇな」 あたしに先読みされたことが頭にきたのか、小野君は二本目の煙草に手をかける。 長く繊細な指先を目で追いあたしは思った。 小野君にもっと触れられたい……と。