「覚えてる。俺はお前みたいにバカじゃないからな」 「……そうだよね」 「何で薄笑い浮かべてんだよ。気持ちわりぃな」 口元の緩みを指摘されても、あたしはひるまなかった。 「何だか今日は良い日だね。小野君もそう思わない?」 一緒にお弁当を食べて、たわいもない会話をして。 授業をさぼって、晴天のもと屋上で二人きりの時間を過ごしている。 小野君の彼女だと胸を張っていえる日はそう遠くない気がする。