「ありがとな。旨かった」 空になったお弁当箱をあたしに手渡すと、小野君はすぐに屋上の真ん中で寝転んだ。 目を瞑ると、小野君の長いまつ毛がハッキリと分かる。 太陽の光に反射して金色に染められている髪がキラキラと輝き、あたしは思わず顔にかかった長い前髪を手でどかした。 「小野君の髪って綺麗だね」 頻繁に染め直しているのか髪が伸びるのが遅いのか。 いつ見ても全てが均等な色で染められている。