「トマト嫌いなの?」 「嫌い」 「なんか小野君、子供みたい」 小野君の意外な弱点を知って思わずクスッと笑うと、小野君の眉がピクっと動いた。 「お前に言われたくねぇよ」 今までは鋭い目に睨みつけられると、体を縮めていたはずなのに。 「でも、トマト食べられない小野君に言われたくないよ」 「……お前、ナメてんの?」 あたしはいつの間にか、小野君と対等に話せるようになったようだ。