「これ、小野さんに届けてくれって言われてたんですけど。忘れてました!!」 少しだけ頬を赤らめて恥ずかしそうにはにかむ男の子はあたしにビニール袋を手渡した。 「飲み物とチキンのセットです。あ、確かポテトも……」 マニュアル通りにうまく接客をこなしていた男の子の口ぶりが急におろそかになる。 「どうもありがとう」 彼がまだ新米だということが手に取るように分かり、あたしは優しく微笑んだ。