「小野は架空の人物か?それともお前の妄想?」 「違うってば!小野君は本当にあたしの彼氏だもん!!」 お金を払い「ありがとうございました!」という大きな声を残して、男の子は扉をパタンと閉めた。 やっぱりそんなに都合のいい話、あるはずないか。 ケン兄にもバカにされるし、小野君の話なんてしなければよかった。 ガックリと肩を落としていると、 「あの、すいません」 さっき出て行ったはずの男の子が再び玄関に顔を出した。