「お待たせいたしました!こちらお熱いのでお気を付けください!」 玄関先に入るなり、威勢のいい声をあげる若い男。 営業スマイルを浮かべた男の子は、ケン兄にピザを手渡した。 「おい、こいつが小野か?」 「……違う。小野君じゃない」 小声で囁き合うあたし達を男の子は不思議そうに目をパチパチさせながら見つめていた。