翌日。 あたしはタイミングを見計らっては何度も小野君に話しかけた。 「小野君、あの……」 「うるせぇな。話しかけんな」 だけど、小野君は取り合ってくれない。 昼休みになり、机に伏せていた小野君に声をかけてみたけれど、案の定、冷たくあしらわれた。 「ねぇ、小野君」 ……ここで挫けちゃダメだ。 自分自身を励まして小野君の背中を恐る恐る揺すると、小野君の口から出たのは意外な人物の名前だった。