小野君は直人君とあたしの関係を誤解している。


今まで小野君があんなにも感情を露わにしたことは一度もなかった。


それほどまでにあたしが小野君を怒らせたということだ。


……そして、小野君を傷付けたってこと。



「……小野君……」


どうしてこんなことになっちゃったんだろう。


あたしが小野君に相談しなかったから？


それとも、偶然会った直人君に話をしてしまったから？


理由はどうあれ、自分のせいでこうなってしまったんだ。



「小野君……ごめんね……」


鼻の奥のツーンッと痛み、ギュッと唇を噛み締めた。