「あれ……君もしかして……」 「覚えていてくれたんですか?」 嬉しそうハニかむ男の子。 あたしはこの学校に転校してきた日のことを思い出していた。 希望と不安を胸に新しい学校の門をくぐると、前を歩いていた男の子が派手に転んだ。 周りの生徒達は明らかに引いた目で男の子を見つめ、誰一人近づこうとはしなかった。