【1-A 斎藤修二】 直人君が教えてくれた名前を何度も何度も頭の中で繰り返す。 一年生の教室は4階にあり、あたしは静かに階段を上り、彼のいる教室に向かった。 「あの……斎藤修二君ってどこにいるかな?」 階が変わっただけでガラリと雰囲気が変わる。 廊下で立ち話をする下級生に後ろ指をさされながら、A組の教室にいた男の子に思いきって声をかけた。