「そんなこと知らねぇよ」 どうしよう……。小野君が怒ってる……。 「もしかして……姫川さんから聞いてないのか?」 あたしと小野君の間に漂うおかしな雰囲気に気付いたのか、直人君はハッとした表情を浮かべる。 「知らないってことは聞いてないってことだろ」 言葉の端々に小野君の怒りが感じられてあたしは更に俯いた。 「で、話はそれだけか?」 「今からそいつのところに行って話しつけにいこう」 直人君の提案に小野君は「俺は関係ない。勝手にしろ」そう言い残し教室に戻ってしまった。