その時、一瞬だけ小野君の髪の毛からシャンプーの柔らかい匂いがして、あたしは頬を赤らめた。 彼女なんだから彼氏の髪の毛に触れたっていいのに。 それなのに、つい「ごめん」って謝っちゃうのは小野君にオーラがありすぎるせい。 人を寄せ付けないオーラを全身から放つ小野君に、ズカズカと近付けるほどあたしの神経は図太くない。 だけど、隙あらばまた触ってみよう。 あたしの小野君に対する熱意は日に日に増していた。