一番後ろの窓側。 それが小野君の特等席。 天気のいい日は、机に伏せて眠っている小野君の髪に太陽の光が反射してキラキラと光っている。 小野君の猫っ毛で柔らかい髪があたしの目にはとても魅力的に映って。 触ってみたい……。 そんな欲求をどうしても我慢できずに、小野君が眠っている時、一度だけ軽く触ってみた。 小野君の髪は、想像していた通り柔らかくてサラサラで。 あともう一回だけ……と思って再び小野君に指を伸ばすと、 「何だよ」 と、小野君は顔を上げて不機嫌そうな顔であたしを睨んだ。