屋上までの階段を一段一段しっかりと踏みしめる。


あたしより先に教室から出て行った小野君はきっともう屋上にいる。


何を言われたっていい。


あたしが小野君を好きな気持ちに変わりはないんだから。



「……よし」


気合を入れて屋上の扉を開けると、温かい風が体を包み込んだ。


空は青く染まり雲一つない。


そして、太陽の眩しい光に照らされていた小野君がゆっくりと振り返ってこっちを見た。