「勝手にしろ」 普段と変わらぬトーンでそう言うと、小野君は集まっていた生徒達をウザそうにかきわけて教室に入っていった。 「……俺、姫川さんのこと本気だから」 そんな直人君の甘い言葉さえ今のあたしの胸には響かない。 ただ、HRの始まりを告げるチャイムの音だけが虚しく辺りに響き渡っていた。