「俺なら姫川さんをもっと大切にしてあげられる」 直人君のその言葉に、周りにいた女子生徒が悲鳴にも似た黄色い声を上げる。 ドラマか、それとも漫画か…… 現実世界ではありえないと思っていたこの状況に立っていることがやっとだ。 野次馬が一人二人と増えて、辺りには黒山の人だかりができてしまった。 「黙ってちゃ分からないだろ」 直人君が小野君に挑発的な目を向けると、小野君がようやく口を開いた。