二人の間に漂う不穏な空気に気付き、周りにいた生徒達も会話をやめて固唾をのんで二人を見つめる。 あたしは小野君と直人君を交互に見つめ、どうする事も出来ずうろたえていた。 「小野は姫川さんのことどう思ってるんだよ。本当に好きなのか?」 「お前に言う必要はない」 「適当な気持ちで付き合ってるなら、姫川さんと別れてくれ」 「……は?」 今まで何を言われても微動だにしなかった小野君。 でも、直人君の言葉でその眉がピクリとわずかに動いた。