思いきって顔をあげると、 「いつまでこんなとこに突っ立てる気だよ。ほら、いくぞ」 小野君はうんざりした表情であたしの手を引いて歩き出す。 ……やっぱりあたしは小野君にとってどうでもいい存在なのかな? 思いきって「キスしたい」って言っても空振り。 小野君の本当の気持ちを聞きたいと思っても、答えてくれない。 めんどくさい女って思われたかな。 それともウザいって思った? 胸に針で刺されたような鋭い痛みが走る。 小野君への好きの気持ちに比例して、その痛みは強くなる。