ゲーセンの中は学校帰りの高校生で賑わっていた。 カップルでプリクラを撮ったり、友達同士でゲームをしたり。 空調機が付いているはずなのに店の中に充満する煙草の匂いに喉がピリピリ痛くなる。 色々な音が混じり合って、何故かソワソワしてしまう。 すると、小野君が突然あたしの顔を覗き込んだ。 「ここにいろ」 「……え?どこにいくの?」 「便所」 あ、トイレか。 「うん、待ってるね」 小野君はそのままトイレに向かって歩いていった。