爽は今まで自分から行動するなんてなかった。 有り得ないことだ。 爽は喧嘩しろと言われたら喧嘩する。 やれと言われたらやる。 自分から行動するなんて有り得ない。 それなのに爽は優衣のために動いた。 今思い返せば俺が最初に優衣を拉致したときも爽は自分の意志で倉庫にやってきた。 これでわかることは爽は優衣のことが好きなんだ。 俺なんかが敵わないくらいに。 「諦めろや」 「諦めるしかねえんだよ」 本当は諦めたくないけど、爽が屋上に来たときの優衣の顔は。 少し嬉しそうだった。