「えぇ、とても。この天辺で、その人の笑顔を見るのが今の僕の夢なんです。」


その人が、この遊園地の社長だなんて全く知らずに勝手に夢を語っていた。


「叶えます?」


「え?」


「叶えちゃいますか。」


観覧車と俺を交互に見ながら、いたずらっこのように笑った。











「凄いだろ?」


「凄いっていうか……。」


言葉を探しながら、離れていく地上を見下ろした。


「ちゃんと話しておきたかったんだ。」


向かいあって見つめあう。

不安そうに揺れる瞳が、必死に俺から逃げまいとしている。

だから、俺も、逃げない。

二人が、一番空に近付くまでに、君の心に俺の心を繋げなきゃいけないから。