「見ててごらん?」


指差した方をじっと見上げる。

俺が頷いたと同時に始まる光のショー。


「綺麗…………。」


繋いだ手をぎゅっと握り、その光の中へ導く。


「ようこそ。」


初老の男性が静かに頭を下げた。


「お言葉に甘えました。よろしくお願いします。」


俺も丁寧に頭を下げた。


「さぁ、どうぞ。」


「美羽、おいで。」


繋いだ手を引き寄せ、背中をそっと支える。

不思議そうに、不安そうに乗り込んだ。










光の中へ。









「美羽、聞いて?」


「………ん。」


どんな表情をすればいいのかわからない……そんな瞳で見つめられ、少しだけ、悪いことをしている気分になった。