昨夜見た赤鬼。
母に似た鬼女。
そして、豹変した真希。
全てが茜に『石』の存在を指し示し、それを返せと口を揃えて言う。
何故?
何のために?
この石に、一体何があるっていうの?
永遠とも一瞬とも感じられる沈黙の後突然、張り詰めていた場の雰囲気がガラリと変わった。
異常な空間から正常な空間へ戻ってきたようそんな安堵感を茜が感じるや否や――。
ドスン。
まるで糸が切れた操り人形のように、真希の体が鈍い音を響かせて床に転がり落ちた。
「真……希?」
ぴくりとも動かない真希の体。
鬼の『鬼人と化し死ぬ』と言う言葉が、茜の頭をぐるぐると巡る。
「ま、真希っ!?」
茜は慌てて、地面に横たわる親友の元へ駆け寄った。



