『我ハ、ソノ石ノ、正当ナ、持チ主ナリ』
聞こえて来たのが、真希の口から発せられた『声』であることに茜が気付くのに、数瞬を要した。
その声は、明らかに彼女のものではなかったのだ。
まるで地の底から響いてくるような、他者を威圧し、恐怖を抱かせる声。
その声が、昨夜の赤鬼と同じものだと気付いて、茜の背筋をゾクリと悪寒が走り抜けた。
――石。
――石の正当な持ち……主?
呆然と鬼の言葉を反芻する。
『ソノ石ヲ、返シニ来イ
サモナクバ、コノ娘ハ、鬼人ト化シ、死ヌ――』
「えっ……!?」
――キジントカシ、死ぬ?
――死ぬって!?
鬼の語る言葉の意味の重大さに気付き、茜は一瞬恐怖を忘れて声を上げた。
『キジントカシ』は『鬼人と化し』だろうか?
でも鬼は確かに、真希が『死ぬ』と言ったのだ。
そして、鬼は最後にこう言った。
『キガクレノサトニ、来イ』と。



