「……じゃあ、私、学校に行く」
――母の葬儀の次の日に、登校する娘も非常識かもしれない。
でもたぶん、一人で家にいるよりは、何倍もマシだ。
茜はそう思った。
「……そうか。そうだな」
茜の答えに少し驚いた様子の敬悟だったが、一人が嫌いな茜の性分は良く知っているので、特に異を唱えることもなかった。
「じゃあ、食べ終わったら車で送って行くよ。どうせ通り道だからな」
そう言って柔らかい笑みを浮かべ、茜の頭を労るように『ポン』と叩いた。
茜の本音を言えば、本当は敬悟にくっついて行きたい所だった。
だが、いくらなんでも高校生のコブ付きでは、敬悟が嫌な思いをするだろう。
「うん。ありがとう敬にぃ」
茜は力のない笑いを敬悟に返した。



